国際部は、事業計画の策定や、戦略立案をはじめとする、海外子会社や海外支店の管理等の幅広い業務を行っています。
損保事業第1部・損保事業第2部は、損害再保険の引受の基本方針策定や、アンダーライティング(引受判断)、再々保険(出再)の手配等の業務を包括的に行い、顧客に対してきめ細かい対応を行っています。
生保企画部は、生命再保険の引受の基本方針の策定や、再保険条件、再保険料率の設定等の引受判断、再々保険の手配等の業務を行っています。
生保営業部は、生命再保険の引受等の顧客に対するきめ細かい対応を行っています。
当社では数多くのアクチュアリー(正会員、準会員、研究会員)が、幅広い業務に従事しています。アクチュアリー職という、いわゆる専門職制度は採っていないため、総合職として、複数の部門を経験することで経験を積んでいくことになります。そのため、アクチュアリーとしての知識や経験を様々な部門で活用することが可能となり保険数理のスペシャリストとして、会社全体に貢献できる環境があります。
当社はアクチュアリーの養成、アクチュアリーとしての活動に対して積極的に支援しています。例えば、アクチュアリーを目指す、一定の要件を満たした社員に対しては、試験対策講座への派遣や各種費用(講座受講料、資格試験受験料等)を会社が負担しています。当社には日々の業務に従事しながら、アクチュアリーを目指す社員が多く、こうした支援制度を利用し、毎年多くの社員がアクチュアリー資格試験を受験しています。
リスクや数理のプロフェッショナルとして、ERMを中心に幅広い業務に関与しています。
具体例としては、
●リスクガバナンスの整備や、リスクに関する方針と戦略の策定
●保険引受や資産運用を含む事業の数理モデルの構築と運用
●企業の事業ポートフォリオ管理および資本・リスク・リターンの分析
などが挙げられます。
このように、専門性を生かして様々な取り組みに携わることができるのが、アクチュアリーの業務の面白いところです。
日々の出納業務に加え、会社の経営成績・財政状態を把握するための決算業務、税務申告業務等を行っています。これらのうち特に保険数理の知識を活用した業務としては、決算業務における将来の保険金への備えである責任準備金の計算やIBNR(Incurred But Not Reportedの略)備金の算出があります。IBNR備金とは、既発生未報告損害の備金のことですが、その算出方法については原則的な手法こそ存在するものの、手法の選択やパラメータ等の前提条件の決定において、専門的かつ高度な保険数理の知識が必要となります。これらの算出は、決算のみならずリスク管理の観点からも必要不可欠な業務です。
さらに経理部では、経済価値ベースのソルベンシー規制やIFRS等の新制度への対応も行っています。経済価値ベースのソルベンシー規制、IFRSのいずれも保険契約準備金(IBNR備金もこれに含まれる)の算出において、現在の方法よりも見積もり要素が格段に高まっており、保険数理を中心に会計、ファイナンスなど幅広い知識を必要とする業務が一層増え、かつその重要性が増してきています。
主に損害保険分野に係る再保険ビジネスを扱っています。保険数理に関連する業務では、再保険契約の再保険料算出・収益性分析やリスク計測・リスク管理、保有・出再の決定、責任準備金の基礎数値の算出等が挙げられます。例えば、再保険契約の再保険料算出では、火災保険や賠償責任保険といった各種目の特性を考慮し、数理的な手法に基づいて適正な再保険料を算出しています。また、リスク計測・リスク管理を行う上では経営方針や会社全体のリスク量を踏まえる必要もあり、数理知識にとどまらない高度な専門性が求められています。近年では保険と金融の融合が進み、従来の伝統的な再保険に加えて、キャットボンドや担保付再保険といった新たな市場が生まれています。ここでも数理の専門家であるアクチュアリーが必要とされています。損害再保険部門では上記のような数理業務をアクチュアリーが担っており、その活躍の場はますます広がっています。
生命再保険事業の企画運営、引受、リスク管理業務や生命再保険の営業を行っています。特に、アクチュアリーとして保険数理知識を活用して活躍できる業務としては、引受におけるプライシング(適正な再保険料率の算出)、決算・予算における責任準備金の算出、ソルベンシー・マージン比率数値の算出、リスク管理における各種リスク量の計測など多岐に渡ります。また顧客である元受会社との商品共同開発では、商品設計の基礎書類作成を行うこともあります。
生命再保険の大きな特徴は、多くの契約が元受生命保険会社の生命保険契約と同じく長期契約である点です。そのため、現在から超長期の将来収支を予測することが重要です。算出した数値が会社全体の収支や経営計画にも影響を及ぼすこともあり、仕事のやりがいは大きく、アクチュアリーとして活躍できる場が広がっています。
また、生命再保険の営業において、お客様である元受生命保険会社の販売拡大、収益性向上、リスク管理といった経営目標の達成をサポートする再保険ソリューションの企画・提案を行うこと、そして、お互いにWin-Winとなるビジネスへと繋げることが最も重要な仕事になります。そのためには、お客様が興味をもつような提案をするためには各種監督規制、EV(Embedded Valueの略)等の経営指標の考え方を理解しておくことが重要となり、保険数理の知識はこの点において不可欠となります。また、より良い再保険の提案を行うためには、言葉だけの定性的な内容だけではなく、実際、ビジネスとなったときの効果を定量的にイメージできる資料作成が重要となります。こうした点も含め、保険数理の知識は生命再保険の営業においても幅広い場面で活用されています。
一般的にアクチュアリー資格の取得までには非常に長い期間を要します。その中で、仕事と試験勉強を両立させていくことは予想以上に大変なものです。アクチュアリーを目指す強い信念と日々の努力が必要となるのは言うまでもありません。
これまでご紹介してきたとおり、様々な分野でアクチュアリー(正会員、準会員、研究会員)が活躍しています。共通して言えることは、アクチュアリーとして保険数理の知識が備わっていることは強みとなりますが、それだけでは十分ではありません。どんな仕事においても人と人との繋がりは欠かせないなかでは、コミュニケーション能力はもとより、社会人としてバランスの取れた知識や経験を有していることが必要となります。専門性は重要ですが、それだけに偏ることなく様々なことに興味を持ち、幅広い分野で活躍できるように期待しています。